MVCとは
MVCは、ユーザーインターフェース、ビジネスロジック、データの管理を独立したコンポーネントに分割することで、アプリケーションの構造を整理するためのアーキテクチャ・パターンです。MVCは、1970年代後半にXerox PALOアルトリサーチセンター(PARC)で開発されました。
MVCの構成要素
MVCは、以下の3つの主要コンポーネントで構成されています。
- Model(モデル)
- アプリケーションのデータと、そのデータに対する操作を管理します。
- データベースとのやり取りを担当し、データの整合性を保証します。
- ビジネスロジックを実装します。
- View(ビュー)
- ユーザーに情報を表示するためのインターフェースを提供します。
- Modelから受け取ったデータを、ユーザーにわかりやすい形式で表示します。
- ユーザーからの入力を受け付け、Controllerに伝達します。
- Controller(コントローラー)
- ユーザーの入力を受け取り、ModelとViewを制御します。
- ユーザーの操作に応じて、Modelのデータを更新したり、Viewを切り替えたりします。
- Modelとビューの間の橋渡し役を担います。
MVCのメリット
- 関心の分離により、コードの管理がしやすくなります。
- 各コンポーネントが独立しているため、並行して開発を進めることができます。
- コードの再利用性が高まり、保守性が向上します。
MVCのデメリット
- 小規模なプロジェクトでは、MVCの採用によってかえって複雑になる場合があります。
- コンポーネント間の密な連携が必要な場合、MVCの構造が制約となることがあります。
MVCの適用シーン
- Webアプリケーションの開発に広く用いられています。
- ユーザーインターフェースを持つアプリケーション全般に適しています。
有名なMVCフレームワーク
- Ruby on Rails(Ruby)
- ASP.NET MVC(C#)
- Spring MVC(Java)
- Laravel(PHP)
- Django(Python)
MVCは、現在でも多くのアプリケーション開発で採用されている、重要なアーキテクチャ・パターンの1つです。MVCを理解することで、アプリケーションの構造設計の基礎を身につけることができます。